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販売数100倍にしたいなら、顧客の声を聞くな!

こんにちは 深井です。

ある「社会課題」を解決するプロダクトとして

岡山県のお菓子メーカーの製造した商品の
販売数が、10年で100倍に。

今や、ドラッグストア、
スーパーどこに行っても目立つ場所に
置かれていて、

もはや商品名がそのカテゴリーの
代名詞にすらなっています。

では、その社会課題解決商品とは?

ヒント

事実、小学2年生と中学2年生の子どもがいる
我が家でも、夏といえばこれ。もはや定番。

息子の通う小学校では、お茶と一緒に
この商品なら持ってきて
食べていいことになっています。

答えは、

カバヤの「塩分チャージタブレッツ」です。

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想定外の大ブレイク!
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2009年
熱中症対策のアメに需要があることを知り、

同社がラムネ製造で培った
独自の強みであるタブレット製造技術

熱中症対策としての吸収スピード

の観点から、

塩分を摂取できる「タブレット」として
「塩分チャージタブレッツ」をローンチ。

そこまで売れないだろうと想定していた
同社の想定通り、発売当初は伸び悩む。

しかし、あることを転機に
同社にとって、1実験的商品でしかなかった
この商品は、

10年で販売数100倍

に急成長し、同社の筆頭商品へと上り詰める
引き金となる大ブレイクすることとなる。

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何が起こった?
大ブレイク「3つの引き金」
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引き金その①

発売翌年の2010年ごろから急増した

・猛暑
・猛暑による熱中症
・熱中症による救急搬送

事実、2009年に2万人未満だった
救急搬送者は、

たった1年で、5万6000人。

マスコミの報道によって
「熱中症」のリスクが「他人事」から
一気に社会全体の
「自分ごと」のリスクとして顕在化

引き金その②

発売2年後、東日本大震災による計画停電。
暑くてもエアコンを使えないことで
さらにリスク対策需要が急増。

販売個数が前年比6倍に。

引き金その③

「塩あめ」はそれまでもあったが
溶けるまで時間がかかり、
すぐに塩分をチャージすることができなかった。

これによって顕在化していた

もっと早く溶けてくれたら…

と顕在化していた欲求に刺さった。

既存商品があればこそ
「顕在化」していた課題解決欲求は
大きなトリガーとなる。

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顧客の声を聞くな!
コアイシューを見つけだせ!
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さて、イノベーションの世界には
こんな逸話があります。

それは、

まだ世の中には、遠くへ行くための
交通手段が馬車しかなかった時代。

フォードは、
これまで組み合わされてこなかった

エンジン「と」車輪を新結合させ

自動車という交通手段で
イノベーションを起こしました。

なぜ、そんなことができたのか?

それは、顧客の声を聞かなかったから。

フォードがもしも、
馬車しか知らない人に、

「どんな乗り物が欲しいですか?」

と聞いていたなら…

乗り物の選択肢は「馬車」しか
なかった当時の人たちは

「より早く走る馬車」

そういって、フォードは
よくよく回る、馬車用の車輪でも
作ってしまっていたでしょう。

ですが、

フォードは顧客の声を聞かずに
顧客のコアイシューに目を向けました。

彼らは、今の交通手段に
どんな課題を抱えていて、
どんな解決策を求めているのか?

そして、それはなぜか?

そう、彼らは、

より早く遠くに行くために
馬車に乗っていたわけですが、

がたがた振動で疲れることや
馬を休ませるために
休憩しなければいけないことに
課題を抱えていて、

でも、それしか当時は交通手段がないので、
より早く快適な「馬車」を求めていたわけです。

つまり、

馬車が欲しかったから
「より早く乗り心地のよい馬車」が
欲しかったわけではなく、

より快適により早く遠くへ辿り着くことが
求めていたもの。

課題解決のセンターピンである
解決すべき、コアイシューはここにありました。

※コアイシューについて詳しく知りたい方は
こちらの書籍第3章で解説しているので
ぜひご覧ください。

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より良いものじゃくなくて
違う選択肢を作れ
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もし、塩あめに需要があることを知った
カバヤが、

顧客に、

「どんな塩アメだったら欲しいですか?」

と聞いて

より素早く溶ける「塩あめ」を開発して
リリースしていたら、、、

きっと販売数100倍などという
急成長は決してなかったでしょう。

でも、同社はコアイシューに目を向け

急速に顕在化して、解決策への需要が高まりきっている
・「社会課題」=熱中症

顕在化している
・「解決策」=塩分

これまで組み合わされてこなかった
・タブレット

を新結合し、大ブレイクを手に入れました。

 

このように、顕在化した社会課題に対して
すでに何らかの解決策が社会に供給されている場合、

そこには、確実に

その解決策が満たせていない
強力な需要の源であるコアイシューがあります。

既存商品よりも、より良いプロダクトを作るのではなく、
コアイシューを解決するための
全く違う選択肢を

ぜひ考えてみてください。

あなたのアイデアが、社会を変える。
社会課題が、あなたの未来を変える。

あなたの挑戦を応援しています!!

それでは、また。

ー深井

(事例参照:日経クロストレンド/日本商工会議所)

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