こんにちは 深井です。
「うちの会社には強みがないんです…」
これは、以外にも多くの企業経営者や新規事業担当者の方から言われる、代表的な言葉であることを、今日打ち合わせをしていたある方が話されていました。
その方は、長きに渡って大手企業の商品開発に携わってきて今も大一線で活躍されている方なのですが、その方のお話はまた別の機会として…今日お話ししたいのは、では、本当に強みはないのか?ということなんです。
5年10年、20年と事業を継続してきている企業であれば、当然強みの一つや二つありそうです。なぜなら、強みがなければ顧客に選ばれるはずがないからです。
とはいえ、これには確かにと思う点もあり、それは何かというと、競合他社も似たような技術をもっていたり、商品・サービスを作っているケースです。
こう言ったケースでは、地域とのつながりや、社長の営業力で成り立っているケースもあるので、そう思ってしまうのも仕方ないかもしれません。
ですが、こう言ったように、例え自社の技術が特別なものではなく、どこにでもある技術だったとしても唯一無二の技術として新規事業を生み出す機会になっているケースがあるんです。
それは…
普通の技術でブラジルなど世界各国に進出
自動車解体・リサイクル業の会宝産業さんです。会宝産業さんで使われている自動車解体・リサイクル技術は、「うちのやってることは日本全国、どこの業者もやってることと変わりません」と同社の社長ご自身が言われるほどに、一見どこでもやっている仕事で、強みと言えるものではありません。
では、なぜ、世界が求める技術になっているのか?
全く同じ技術の意味と使い方を変えた
それは、「全く同じ技術の意味と使い方を変えた」ということなんです。同社の技術は確かに、日本国内だけでみれば当たり前の技術でなんの変哲もなく、強みにはなりません。
ですが、なにが世界各国への市場を広げる新たな事業開発の転機になったのかというと…
当時ブラジルは、自動車リサイクル技術をもっておらず、故障したり古くなった車は野原に廃棄されて山積み状態。しかも、中古部品の輸入を国が禁止しているので修理もできず、ただのゴミの山として大きな社会課題になっていたので、解体部品を海外に販売している自動車解体・リサイクル業にとっては顧客にならない国でした。
しかし、同社はこの社会課題に着目、自動車解体・リサイクルのサービスを提供することができないのであれば、自動車解体・リサイクルの「技術・ノウハウ」自体を提供したんです。
それによって、現地に自動車リサイクルセンターをJICAや政府との連携によって立ち上げることに成功しています。
同じ技術の価値を変える
このように、自社にとっては全くなの変哲もなく、他社もやっている技術・サービスでも、これまで掛け合わせたことのない場所、国、地域を変えることで、大きな事業機会を生み出すことがあります。
ですので、もし「うちの会社には強みがないんです…」なんてことを思っているなら…
社会で起きているのに未だ解決されていない課題に着目し、場所、国、地域との組み合わせを変えると起こりえる事業創造の可能性を試してみてください。
社会課題こそ、事業創造のチャンス
ー深井